2020.5.18 月曜日

【長野・花園居から・・・】山菜を常備菜に その一


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当協会事務局長理事の青木淳子が、長野県中条にある山と畑付きの古民家『花園居(かぞおのきょ)』から、長野ならではの里山暮らし、郷土料理、農業、手仕事の四季折々をレポートします。
味噌・酢・油を使って山菜をもっと身近に常備菜にする方法
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今、信州は山菜がわらわらと旺盛に出ている。(写真は畑わきに出るあさつき。)
タラの芽・ふきのとう・うどなどはスーパーでお馴染みの山菜だが、露地ものではない場合が多いので、なんとなく味気ない。今回は他の露地もの山菜をご紹介しようと思う。
今、信州ではあさつき・こごみ・行者にんにく・しどけなどに加え、新鮮な春の野菜達に大量に襲われて(!)いる。
何もなかった冬の反動であるかのようにどっと大量に、しかも同時期に出現する。
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これは山ウド。茎の柔らかいところは生でも食べれるし、葉は湯がいて、ごま和え炒め物でも常備菜に変身する。お吸い物でも山菜の香りがして美味しい。
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山みつばも湿地のあたりではよく見かける。お浸しや天ぷらに。
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タラの芽は生命力が旺盛で、冬にかなり切り込んでもどんどん出てくる。このとげは天ぷらにしてしまうと不思議と気にならない。

山菜の食べ方

山菜といえばやはり天ぷらが美味いと思うが、毎日そうするわけにもいかないので、常備菜的におかずになるものに変身させたい。
ゆでれば冷凍が効くものがほとんどであるし、湿気を与えた新聞紙などでくるみ、ビニールにいれて保管すれば1か月も鮮度が良いことがあるのでびっくりするくらい。ただし、やはり採ってからの時間が美味さを左右する。
山菜の使い方は大きく3つに分かれる。場合によってはこれらが混ざる。
①料理となるもの(炒める・焼く・揚げる・煮る・蒸す・和える)
②調味料に変身するもの(酢味噌・味噌で炒める)
③保存するもの(漬ける・冷凍する)
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① 料理となるもの

焼く・揚げる・煮る・蒸す・和えるなどの調理法のうち、実は山菜特有の向いている調理法があるように思う。山菜は特有のアクがあるので、それを瞬間のうちに封じ込める油で揚げる方法か、炒める、あるいはあえ物が非常に合う。
春の山菜であれば、うどなどは酢味噌和えや、実は刺身にしても美味しい。
また、あまり普段は料理にしないという人も多い白和え・胡麻和え・酢味噌和えなど、和え物が非常に合う素材であるとも思う。(料理写真 右上)
面倒臭いという人もいるが慣れてしまえば簡単で、逆に手をかけたような料理にも見えるからおすすめである。
こごみの白和え・にらの白和えや、うどの酢味噌和え、行者にんにくの酢味噌あえ、カンゾウの酢味噌和えなどなど沢山ある。
白和えは残念ながら日持ちは1~2日だと思うが、酢味噌和えなら、3日たっても美味しい。ゆでて冷凍した山菜でも酢味噌和えならシャンと生き返ってくれるような気がする。(うどの酢味噌和え 料理写真 左側)

②調味料に変身するもの(酢味噌・味噌で炒める)

たくさんとれたあさつきをあさつき味噌にして保存、様々な料理に展開できるレシピをご紹介する。

あさつき味噌

作り方

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  1. キレイにゴミを採り、細かくきざんだ後、塩ひとつまみをいれて揉む。ここで粘り気がでてくる。硫化アリルがたっぷり。匂いを効いただけでも元気になれそう。
  2. その後、砂糖ひとつまみ、酢、味噌で調味する。味はお好みで、ただしあまり酢や味噌が少ないと日持ちがしない。

    煮沸した瓶などに詰めて保存するのはジャムと同じだが、冷蔵庫保存で1か月は大丈夫。1か月分以上ありそうなら冷凍用保存袋などにいれて冷凍する。

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春の出会いものなら、ほたるいかとこのあさつき味噌はぴったり合う。
お弁当の卵焼きに横に添えて、田楽風にこんにゃくにはと合うのは言うに及ばず。焼き魚に、ローストしたポークなどともよく合う。ちょっと小腹がすいた時のお蕎麦やラーメンなどにもちょいとあれば味に深みが出るのだ。
私はバジルペーストと同じレベルで、このあさつき味噌をよく使う。味にしまりがない時に助けてくれるからだ。
アサツキにはビタミンB1をはじめB2、B6、パントテン酸などが沢山含まれているが魚・肉などのアミノ酸とも非常に相性がいい。吸収がさらによくなるし、血栓などのの予防効果も高い。
自生のアサツキ以外でも、春・秋と比較的入手しやすいので是非、作ってみていただきたい。食卓の上で重宝するありがたい常備菜になる。
信州ではアサツキ味噌や醤油豆などが常に食卓の上にあり、好みで主菜や副菜の味に変化をさせて楽しんでいる家庭が多いように思う。
次回は山椒味噌をご紹介します。

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