2016.11.7 月曜日

異性化した糖の採り過ぎで、高校生の4割が糖尿病予備軍?


Share on Facebook0Tweet about this on TwitterShare on Google+0Email this to someonePrint this page

11529705_s
肥満や糖尿病などの原因として私たちの健康を脅かす存在として、アメリカでは使用禁止運動が広まる。

ブドウ糖といえば、まずは脳の栄養源。疲れたときに脳を活性化させたり、また体を動かしたりするときのエネルギー源になるなど、特に若者に必要なイメージが思い浮かびますね。
今回ご紹介する「ブドウ糖果糖液糖」にもブドウ糖という言葉が含まれているので、一見なんの問題もなさそうに思えますが、実はそこが落とし穴。気が付かないうちに大量摂取して糖尿病をひきおこしかねない代物なのです。炭酸飲料など清涼飲料水に多く含まれているためか、摂取量の多い日本の高校生の4割が糖尿病予備軍との調査もあるほど!どうしてそんなことになるのでしょう。

トウモロコシやジャガイモから作られるブドウ糖果糖液糖

ブドウ糖果糖液糖は「異性化糖(高フルクトース・コーンシロップ)」の別名です。砂糖よりも甘みが強いものの口中には残りにくく、また冷やすと甘味度が増すという性質と価格が安いことから、砂糖の代わりにアイスクリームや清涼飲料水など、さまざまな食品に使われています。

42673174_s

アイスクリームや飲料に使われやすいのは別名に「液糖」と入っているように液状の糖だからです。原料はトウモロコシやジャガイモ、サツマイモなどのでんぷんで、酵素によってブドウ糖に、さらにその一部が果糖に分解され異性化し、液糖となるわけです。なお、米国で生産される液糖の原料のほとんどが遺伝子組み換えですが、その加工品の日本への輸入時にはその表記が義務づけられていないということも覚えておきましょう。

こうして製造された異性化糖は、含まれる果糖の割合で分類されています。日本農林規格(JAS)の規定では、果糖の割合が50%未満を「ブドウ糖果糖液糖」、50〜90%未満だと「果糖ブドウ糖液糖」に分類されています。

急激な吸収が肥満や糖尿病を引き起こす!

…とここまでの説明では「ブドウ糖と果糖、どちらも天然由来だから問題ないんじゃない?」と思われるかもしれません。しかし、「ブドウ糖果糖液糖」に多く含まれる「ブドウ糖」は、体内での吸収のされ方の特殊性もあり、大量摂取によって体に害をなす毒にもなるのです。

ブドウ糖は小腸から吸収されると血液中に入り、血液中の糖が増えて血糖値が上がります。とにかくこの吸収速度が速く、急激に血糖値を上げることになります。この上がり過ぎた血糖値は膵臓から分泌されるインスリンによって下げられますが、ブドウ糖は全身の細胞に運ばれ、体のエネルギーとなるものもありますが、多くの余った分は中性脂肪になります。

一方、果糖は肝臓の中で代謝され、インスリンの必要もなく、血糖値を上げる作用はありません。血糖値を上げないなら肥満にもならないのではともされていましたが、大量に摂取してしまうとやはり肝臓で中性脂肪などに変換され、余分なものは脂肪として貯められてしまうのです。要するに、摂り過ぎはこちらも肥満の原因になります。

よく摂り過ぎが健康を損ねると言われる砂糖ですら、体内でブドウ糖・果糖の2つに分かれて分解されます。しかし、液糖は最初からブドウ糖や果糖に分解されているものを摂ることになります。さらにブドウ糖の割合の高い「ブドウ糖果糖液糖」は吸収が早く、糖質中毒を引き起こす強力な要因となるわけです。

5107818_s

糖質の摂り過ぎ、それも急激な血糖値上昇を伴うものは、細胞の糖化をはじめ、肥満やインシュリンの分泌能の低下など、様々な疾病の原因となります。そして、現代の子ども達や10代は日常的にこうした「ブドウ糖果糖液糖」が大量に入った清涼飲料水を飲み続けています。その結果、肥満が増大し、子どもの生活習慣病予備軍は6割以上、糖尿病予備軍も4割に昇るとの研究データもあります。

その他にも、「ブドウ糖果糖液糖」の日常的な摂取は、腎結石のリスク増加、男性の痛風リスクの増加なども言われています(独立行政法人 国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報より)。このほかにも、2型糖尿病の有病率が上がる可能性があるという報告もされています。

知らず知らずのうちに過剰摂取しないために表示を見る習慣を

前述したように「ブドウ糖果糖液糖」などの異性化糖はさまざまな食品に使われているので、知らず知らずのうちに大量に摂取してしまう危険があります。普段食べている加工品や飲み物成分表示をよく確認してみてください。甘味のある食品や飲料水のたいていのものには、ブドウ糖果糖液糖が使われているといってもいいでしょう。

天然甘味料とはいうものの、天然由来というだけで、やはりこれは人工的に作られたもので、私たちの体では消化しきれいない“危険な糖”なのです。日常的に食べたり飲んだりしているものに「ブドウ糖果糖液糖」(もしくは果糖ブドウ糖液糖)が含まれていないか、また多く摂りすぎていないか、普段の食事から見直しましょう。
買い物をする場合には表示を見る習慣をつけるのも良いでしょう。菓子類などにはほとんど使用されているので注意が必要です・

参考

天然甘味料でも要注意!米国で使用制限広がる
「異性化糖(果糖ぶどう糖液糖)」があふれる日本
http://diamond.jp/articles/-/42181?page=1

果糖は太る? ブドウ糖と果糖の違いと注意点
http://allabout.co.jp/gm/gc/438395/

 

最新知識と医療の知識を得る。一歩進んだ《食の資格》を取得できます

「食と予防医療」を学ぶ、これからの時代の先を見据えた食の資格【アンチエイジングフードマイスター】。
社)日本アンチエイジングフード協会では全国どこでもネットがつながる環境ならどこでも「食と予防医療」のことについて白澤卓二医師から学べる食の資格講座を開講しています。
また資格取得後も最新情報をアップデートできるリアルなセミナー、AAFMゼミナールも開講しています。
詳しくは下記、紫のバナー「アンチエイジングフードマイスター 認定資格講座について」もご覧ください。

Share on Facebook0Tweet about this on TwitterShare on Google+0Email this to someonePrint this page