2016.6.3 金曜日
米・大豆 ~日本の食の源・素のままを食べよう~
日本人の主食は精米された白いご飯がイチバン!こんな思い込みや食習慣からなかなか離れらずにいませんか?ついつい主食を食べ過ぎてしまうことがメタボリック・シンドロームや糖尿病の原因にもなっていると考えられます。日本の食の源でもある米と大豆。この2大食材と摂り方を考えることで、食生活改善の大きな変化がおきるかもしれません。
ミネラル豊富な玄米や雑穀の味わいを楽しもう
アンチエイジングのためにも、白いご飯を玄米や雑穀・古代米ご飯に積極的に置き換えることをおすすめします。日本人の食習慣から、白いご飯をやめられない、という方は多いかもしれません。でもこれは思い込みなのです。実際に雑穀や玄米のごはんはよく噛むと精製されずに残っている様々な味わいがおいしさに感じるはずです。
お米の品種にも目を向けてみましょう。木村秋則さんが復活を願い在来種米として注目を浴びている「ササシグレ」は高アミロース・低タンパク質の特徴を兼ね備えた米です。高精白しなくとも米アレルギー効果を示しています。
古代米と雑穀入りのおむすびはミネラルが豊富で味わい深い
ご飯を食べても、ビタミンB1がないと、糖質をエネルギーに変換することはできません。玄米や雑穀入りご飯にはビタミンB1が豊富に含まれていますが、現在多くの家庭で食べられている精白米にはほとんど含まれていません。ビタミンB1が不足すると、疲労物質がたまって疲れやすくなることもあり、ご飯、とくに精白米を食べるときは、ビタミンB1を補足する食べ物として、豆類や他の雑穀と一緒に食べることをおすすめします。
また、玄米のなかでも発芽玄米は、アドレナリンの分泌を抑え、情緒・精神を安定させ、高血糖予防、アルツハイマー予防効果があるといわれるGABA (ギャバ) を多く含みます。市販もされていますが、玄米を2〜3日ほど水に浸しておくと発芽玄米になるので試してみてはいかがでしょうか。
今は地方でも田植え体験や収穫の体験ができる農園も増えてきました。自分が植えたり、刈り取ったりしたお米の美味しさはまた格別です。栄養素を知ることも大事ですが、体に喜びを与えるこうした体験も脳の交換神経を刺激します。ぜひ機械があれば参加してみましょう。
大豆は良質な畑の肉 国産はなんと5%
大豆は特に味噌・醤油など日本人の食卓には欠かせないものです。2008年の大豆自給率はなんと5パーセント。実はそのほとんどが輸入の遺伝子組換えのものであることはあまり知られていません。輸入大豆のほとんどは精油用に使用されます。
2016年に東北の遠野で地元の在来種である南部白目大豆を植えてみました。自然栽培の無農薬・無施肥です。私達の口にはいる大豆でオーガニックのものとなると、全体量の1%に満たないかもしれません。でも機会があればぜひ手にいれて食してみてください。味の濃さがとても深いものに気が付きますよ。
大豆の栄養
豆類は植物性たんぱく質が豊富でありながら、肉や魚に比べて脂質が少ない点が優れています。抗酸化物質、不飽和脂肪酸、ビタミンB1・B2などのビタミン、ミネラルの鉄やマグネシウム、食物繊維なども豊富で栄養価の高い食材です。そして豆類のなかで必須アミノ酸が最もそろっているのが大豆です。脂質も他の豆に比べて多いのですが、肥満や動脈硬化の予防に効果的な不飽和脂肪酸のリノール酸が中心なので、まさに良質な畑の肉といえます。
健康効果が高いとされる大豆イソフラボンは、植物性エストロゲンと呼ばれ、抗酸化作用のほか、骨量減少抑制、コレステロール低下作用、血管新生阻害作用など、さまざまな効能が確認されています。特に女性ホルモンの代替作用があるとされ、大量に摂取する人がいますが、これには大きな落とし穴が。閉経を迎える前の女性が摂取しすぎると、自分自身の女性ホルモンの生成を抑制することになり、マイナスの効果となります。くれぐれも摂り過ぎには注意しましょう。
コラム:大豆のフィチン酸を知っておこう。
また、大豆の良い部分ばかりを紹介してきましたが、大豆には、フィチン酸塩、酵素阻害物質、ゴイトロゲン(甲状腺腫誘発物質)という、人間の体に害をなす反栄養素が含まれていることも忘れてはなりません。
特に「フィチン酸塩」については、消化管の中で、ミネラル(特に亜鉛)を吸着する働きが強く、大量に摂りすぎると亜鉛不足を引き起こしかねません。亜鉛は脳や神経機能および生殖面での健康に大きく貢献し、治癒力を高める大切なミネラル。食べ合わせに注意する他、大豆の「フィチン酸塩」は発酵させることで大幅に減らすことができるので、味噌や納豆、テンペなどで食べることをおすすめします。また、大豆に多く含まれる酵素阻害物質は、アミラーゼ・リパーゼやプロテアーゼのような消化酵素の働きを阻害する作用があります。そのため、食べ過ぎると炭水化物やたんぱく質の分解が不十分となり、不快感や膨満感、機能障害を引き起こすことになります。そしてゴイトロゲンの他、ゲニステイン(大豆イソフラボンの1つ)にも甲状腺機能の低下作用があり、エネルギー代謝を抑制する原因となり、結果、特に脳を中心とした老化を促進します。これらの害を減らすには、やはり発酵させることが一番。もちろん、かといって摂りすぎてはまた別の害が出ますので、積極的ながら「適量」を心がけましょう。