2017.12.18 月曜日

「代々受け継がれていく作物」を食べたい。 ~在来種・固定種・F1種って何?~


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現代は、経済効率を優先して発達した技術によって食べものそのものが大きく変わろうとしている時代です。
スーパーでいつでも季節を問わず購入できる野菜はそもそも自然なものなのか、と考えると疑問を持たざるを得ません。
ただし、一年中同じ野菜を求めてしまう現代においては品種改良やハウス、その他の先端後術で作られた食物に正直支えられているのも事実なのです。

健康な食をもたらしてくれる素材と環境とは何か、在来種とその反対にあるものは何かを考えてみましょう。

経済効率優先が野菜の種まで変えている

毎日の食卓にのぼる野菜。その野菜の種は、固定種とF1種とに大別されることを知っていますか。

固定種とは、その年一番よくできた野菜を選んで来年のために採った持続可能な種のこと。そのなかでも在来種といわれるものは、京野菜や下仁田ネギ、練馬ダイコンなど、昔からその土地に根ざした野菜の種で、自家採取を10年以上続けてきたものです。
現在では、意識的に守らなければ絶えてしまう種となっています。

固定種の良い特徴

  1. F1種に比べ、発芽の揃い・生育の揃いが悪いが、収穫期がずれるので長期にわたって収穫を楽しめます。
  2. 味にそれぞれ特長やクセのあるものが多く、野菜本来の独特の味わいが楽します。
  3. F1種に比べ、一般に環境適応能力が高いとされています。
  4. 種の自家採取が可能です。循環型の持続可能な農業が実践できます。 (種を何度も買わずに済む。)

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F1種とは人為的に品種改良された一代限りの交配種のこと。現在、栽培されている野菜の多くはF1種のものです。次の年に野菜を栽培するためにはまた新しい種を購入しなければならず、一部の企業がその種を独占されるなど、経済面における問題も明らかになっています。

また、従来の品種改良は同じ種類同士を掛け合わせたものでしたが、近年、まったく異なる生物同士の遺伝子を組み換え、新しい作物を作る技術が開発されています。
それが「遺伝子組み換え」(GMO : genetically modified organism) 技術です。
GMO作物は歴史も浅く、実のところ、まだまだ人体への影響は解明されていません。
中にはラットなどを対象とした実験で深刻な健康被害が生じるといった報告もあります。

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この遺伝子組換え食品は日本では認可されてはいないものの、コーンや大豆の海外製品が、飼料や他の食品に混入しています。

つまり、普通のスーパーで売られているお肉や乳製品はそのルーツを確認しない限り、知らず知らずのうちにかなり大量に消費していることになります。

月日が証明する持続可能で安全な在来種

その点、在来種作物は、何十年も自家採種を続けることが可能な、生命そのものの持つ力を活用した種です。もともとその土地で長く栽培されてきた野菜であり、遺伝子的にも安定しています。そのため、不要な化学農薬や化学肥料に頼ることなく、地域の気候風土に適した健康で濃厚な味の野菜ができるという利点があります。

一方、害虫や環境の変化から種の絶滅を守るため、在来種には多様性が備わっています。そのため、大きさ、形、色、生育状況、収穫期などが均一にならないという欠点があります。

しかし、持続可能な健康的な環境が、人の健康の持続性をも支えるということを前提としているアンチエイジングフードの視点からすれば、どちらの野菜が健康的な野菜であるかは一目瞭然です。

海外でも「先祖代々受け継がれていくもの」という意味で、エアルーム(Heirloom)と呼ばれている在来種。

私たちも過去・現在・未来にわたって、長いスパンで、食をめぐる問題に広く関心を持ちつづけたいものです。

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