2020.11.24 火曜日

シリーズ環境汚染物質講座その8汚染物質の種類と身体への影響 ~スチレン・キシレン~


住宅建材にも使われている、静かにたまるスチレン・キシレンの解説です。
その8①

キシレンが使われているスタイロフォームはホームセンターなどで手軽に手にはいる手頃で安価な建材です。一般住宅をはじめ建物の断熱材としても多く利用されるすぐれた断熱効果のある建材といわれています。一方で芳香のある引火性スチレンのヒトに対する生殖毒性に関しては,下記の他いくつかの報告があります。

Hemminikiら*1 はスチレン/ビスコースレーヨン工業などの化学工場で働く女性労働者 9,000 人の自然流産の割合は 15.57%で,フィンランドの国全体の 7.98%の 約 2 倍 で あ っ たと 報 告 し ています。
*1 Hemminiki K, Franssila E, Vaninio H. Spontaneous abortions among female chemical workers in Finland.
Int Arch Occup Environ Health 1980; 45: 123-6

その8②

キシレンは合成原料として染料、有機顔料、香料、可塑剤、医薬品にも使用されます。また溶剤として塗料、農薬、医薬品など一般溶剤、石油精製溶剤として広く出回っています。

 接着剤や塗料の溶剤及び希釈剤等として、通常は他の溶剤と混合して用いられますが、キシレンの市販品は通常エチルベンゼンも含んでいます。トルエンと同様、ガソリンのアンチノッキング剤として添加されることもあり単一でのみで製品に使用されることはまずありません。

 室内空気汚染の主な原因として推定されるのは、内装材等の施工用接着剤、塗料等からの放散で、
建材だけでなく、これらを使用した家具類もからの放出も気になるところです。

健康影響

 トルエンと同様、労働環境における許容濃度として100ppmが勧告されています。また高濃度の短期暴露の影響はトルエンと類似しています。
蒸気はのどや目を刺激し、頭痛、疲労、精神錯乱を起こすことがあり、200ppm程度の濃度で明らかに目、鼻、喉が刺激されます。 また、比較的高濃度の長期暴露により頭痛、不眠症、興奮等の神経症状へ影響を与えることがあるといわれています。発がん性の指摘は今のところありません。