2020.12.1 火曜日
シリーズ環境汚染物質講座その9汚染物質の種類と身体への影響~ベンゼン・トルエン~
防虫剤に多く使われている化学物質にも気を付けて
タンスなどで衣類の防虫に使う防虫剤には、パラジクロロベンゼン(ダイオキシンやDDTと同じ有機塩素系化合物)を使ったものがあります。
これを家庭内で使うと揮発して、家全体が汚染されます。パラジクロロベンゼンの室内濃度が高いと気管支ぜんそくの発症が増えるという報告があります。
防虫剤にはピレスロイド系のものもありますが、こちらはニオイがしないため知らないうちに吸い込んでしまう可能性があります。
ピレスロイド系の殺虫剤は、人の神経の働きをおかしくする可能性があります。また動物実験では、神経発達を障害するという報告があり、内分泌撹乱作用があることもわかってきました。
衣類などに防虫剤を使うことはやめ、よく風通しなどをしたのちに長期保管には真空パックなどを利用しましょう。
トルエンは接着剤や塗料の溶剤及び希釈剤等として、通常は他の溶剤と混合して用いられています。
アンチノッキング剤として、ガソリン中に添加されることもあります。
室内空気汚染の主な原因として推定されるのは、内装材等の施工用接着剤、塗料等からの放散である。
建材だけでなく、これらを使用した家具類も同様である。
健康影響
労働環境における許容濃度として100ppmが勧告されていますが、480ppbあたりに臭いの検知閾値があるとされます、つまり匂いを感じる時点でかなり高濃度の暴露を受けているということになります。
高濃度の短期暴露で目や気道に刺激があり、精神錯乱、疲労、吐き気等、中枢神経系に影響を与えたり、また意識低下や不整脈を起こすことがある。
また、比較的高濃度の長期暴露により、頭痛、疲労、脱力感等の神経症状へ影響を与えることがあり、心臓に影響を与え不整脈を起こすこともあります。発がん性の指摘は今のところありません。