2016.12.19 月曜日

慢性炎症を避ける生活であなたもセンテナリアンに!? 100歳長寿の研究からわかった慢性炎症を抑える4つのポイントが知りたい。


Share on Facebook0Tweet about this on TwitterShare on Google+0Email this to someonePrint this page

41665806 - senior lady portrait

センテナリアン(centenarian)とは100歳以上の長寿者のことで、1世紀(century)以上生きていることから、こう呼ばれるそうです。日本では百寿者とも言いますね。

現在、世界には45万人、日本には65,692名のセンテナリアンがいるとのこと。(2016年9月15日現在:厚労省調べ)そして、センテナリアンについての研究が進み、誰でも100歳以上生きられる可能性があることがわかってきたのです。

それを示すのがデンマークの双子の追跡調査です。双子は同じ遺伝子を持っているわけですから、寿命が遺伝子に左右されるのであれば、寿命に大きな差は出ないはずです。しかし、実際には双子であっても寿命に大きな差がありました。この調査では、寿命に影響を与えるのは遺伝要因が25%、環境要因は75%となっており、健康長寿は遺伝よりも生活習慣にかかっているといっても過言ではありません。
つまり、生活習慣に気をつければ誰でもセンテナリアンになれるかもしれない、ということになります。

センテナリアンの研究で大注目されているのが“炎症”です。
炎症と聞くと、熱が出たり、怪我をしたところが腫れたり、セキが出たりのどが痛んだりする、外傷や感染症による「急性炎症」を思い浮かべるかもしれません。これはわかりやすく、一時的な炎症でしばらくすると治まります。

63643492 - asian woman wearing face mask and coughing by pollution

実は、急性炎症以外にも慢性炎症と呼ばれる、自分では気がつかないうちに体内でジワジワと進んでいる「炎症」があり、寿命に関係しているのはこの「慢性炎症」だったのです。

慶応大学医学部の百寿総合研究センターは、これまで800人を超えるセンテナリアンを調査したのですが、一般の人と明らかに違っていたのが、体内の炎症レベルを示すCRPの数値でした。一般の人が0.30だったのに対し、調査対象であるセンテナリアンは0.03ですから、なんと10分の1です。慶應大学の研究データでは、炎症レベルが高い人ほど短命で、低い人ほど長寿であるという明らかな傾向がみられたそうです。
ちなみに、炎症レベルが低い人では動脈硬化が進行しておらず、血管がキレイに保たれており、若々しかったそうです。
これは、ある意味自然なことかもしれません。
体内の細胞が老化すると炎症性サイトカインが発生し、それによりさらに細胞の老化が進みます。体内の炎症レベルが高いほど細胞の老化が進んでおり、さらなる老化を招くのですから、炎症レベルは老化の目安と考えていいでしょう。

39669324 - chronic inflammation

炎症は加齢とともに進んでいきます。加齢による炎症を抑えるキーワードは4つあるそうです。

1つは、抗炎症作用のある食べ物をとること。
2つめは、腸内環境を整えること。
3つめは、適度な運動。
4つめは、心の持ち方。

この4つが炎症の抑制、ひいては健康長寿に関係していることが、最新の研究によってわかってきたそうです。

1つめの抗炎症作用のある食べ物の代表は、EPA・DHA、αリノレン酸など、オメガ3系脂肪酸です。オメガ3系脂肪酸の抗炎症作用は、さまざまな研究で明らかになっています。
EPAやDHAは青魚に、αリノレン酸はエゴマ油やアマニ油に多く含まれています。これらが健康長寿によいことはよく知られていますが、それには炎症が関係していたのです。
日本人は魚を好んで食べてきました。
このほか、大豆やみそ、海藻、にんじんなどにも抗炎症成分が含まれています。日本人が長年食べてきた食材に抗炎症成分が多いことが、日本人の健康長寿をもたらしたのかもしれません。

image4
日本人にはやっぱり和食がいい・・・。

地中海食も抗炎症成分が豊富です。地中海食のイタリア、アッチャローニは人口2,000人のうち300人がセンテナリアンですから、やはり食事の影響が大きいことがわかります。

2つめの腸内環境を整えること。これは、オメガ3脂肪酸やポリフェノールなど炎症を抑える栄養素の摂取による効果が、イギリスではみられなかったという研究報告があり、食事の効果は人種、地域、ライフスタイルなどによって異なることがわかったことがきっかけでした。
以前、イタリア人とフッザ族の腸内環境もご紹介しました。
https://anti-agingfood.com/362/

中国のセンテナリアンが多い地域は、腸内細菌がほかの地域と異なっていたそうです。腸内環境の研究はまだ始まったばかりなので、何を食べればいいのか、どの腸内細菌が健康長寿に役立つのかははっきりしていません。
ただ、ひたすら同じ食材や栄養素ばかりを食べるのはあまりよくないこと、いろいろな食材をバランスよくとることが大切であると言われています。

3つめの適度な運動の効果を示す顕著な例が、イタリアのサルデーニョ島です。ここは、男性のセンテナリアンが多いことが特徴です。日本のセンテナリアンの男女比が1:9なのに対し、サルデーニョ島では1:1。男性のセンテナリアンがとても多いのです。
サルデーニョ島は急勾配の地形が多く、島で生活しているとふだんの行動だけで負荷のかかる強い動きをすることになります。身体活動量が多い人は、毛細血管よりもさらに細い微小循環と呼ばれる血管の循環がよく、老廃物の排泄がスムーズに行われています。これが健康長寿に役立っているのではないかと言われています。
老廃物がスムーズに排泄されると、老化した細胞がつくりだす炎症を招く物質がすばやく取り除かれているということですから、それだけ老化しにくいということなのでしょう。

4つめは、心の持ち方。
最近の研究で、人の満足感と炎症とは深い関係があることがわかってきました。それに関わっているのがCTRA遺伝子群です。これらはストレスで活性化し、満足感で抑制されるそうです。つまり、心の状態が炎症にも関係するのです。
ある研究では、満足感が高くても炎症が進んでいる人もいて、その違いを調べたところ、満足感の違いがありました。
炎症を進める満足感は好きなものを食べたいだけ食べる、欲しいものを買うなど、自分の欲求を満たすための「快楽型の満足感」で、炎症を抑制するのは、人のために生きる、社会に貢献するなど「生きがい型」の満足感だったのです。
自分のためではなく、人のため、社会のためにがんばってそれにより満足感を得ることが健康長寿に結びつくのは、自然なことかもしれません。
何より、センテナリアンに共通しているのは、「明るく楽しくすごす」というポジティブな気持ちです。この前向きな心が体によい影響をもたらしているのでしょう。

食事、運動、心のありようで、あなたもセンテナリアンの仲間入りができるかもしれません。

 

最新知識と医療の知識を得る。一歩進んだ《食の資格》を取得できます

「食と予防医療」を学ぶ、これからの時代の先を見据えた食の資格【アンチエイジングフードマイスター】。
社)日本アンチエイジングフード協会では全国どこでもネットがつながる環境ならどこでも「食と予防医療」のことについて白澤卓二医師から学べる食の資格講座を開講しています。
また資格取得後も最新情報をアップデートできるリアルなセミナー、AAFMゼミナールも開講しています。
詳しくは下記、紫のバナー「アンチエイジングフードマイスター 認定資格講座について」もご覧ください。

Share on Facebook0Tweet about this on TwitterShare on Google+0Email this to someonePrint this page