2017.11.12 日曜日
マイスターライフ。花巻ゆみさん その2 発酵食品が人生を変える。
「本物の発酵食」を多くの人に伝えている花巻さん、一方では息子さんの壮絶なアトピーに悩み一念発起でこの病と戦うことになります。そんな時にも発酵食品は家族を助けてくれました。鍛えられながら主婦業と発酵プロフェッショナルやアンチエイジングフードマイスターの活動を両立させていく方法も伺いました。
息子さんのアトピーの様子を教えていただけますか?
息子がアトピーになったのは大学に入り、下宿を始めてからでした。
一人暮らしになってから、食事が急激に悪くなり、外食やコンビニ弁当、夜遅くまでのバイトなど、不規則で不健康な生活を始めて2~3カ月後の1年生の夏には顔に発疹が出るようになり、自分で近くの病院に行ってステロイドを処方され6か月ぐらい使ったようです。東京に帰省した際、テーブルに置かれたステロイドを私が見付けて、「これは使っちゃいけない薬よ!」と辞めさせましたが、その反動で一気にステロイドを塗った顔に症状が出るようになってしまいました。2年生の後期が始まり、しばらく経ったある朝、息子から「もうこんな状態で学校にいけない、辛い。」と電話が掛かってきて、すぐに息子の下宿先に飛んで行きました。部屋のドアを開けると、元気なく一人薄暗い部屋の座椅子に座ってじっとしていました。顔全体からボロボロ皮がむけて目の周りも赤く腫れ目も半分しか開かないような状態になっていました。手の内側や足の膝裏、背中にも痒そうな傷が広がっていました。
まだまだ続く壮絶なアトピーとの戦い
そのような状態で大学に行けなくなってしまったため2年生の後期は休学して、藁にもすがる思いで、マコモのお風呂でアトピー治療をしているクリニックで入院治療を行うことにしました。
その病院は24時間いつでも何時間でも自分専用のマコモ風呂に入れるものの、1か月後に支払の領収書と共に来た投薬の情報を見て驚きました。まだ、20歳になったばかりの息子に向精神薬が投薬されてたいたのです。
すぐに先生に電話をし、「この薬を息子に処方するのは辞めてください!」と、お願いし何とかマコモ風呂のケアのみで過ごさせました。3カ月の入院の後、京都の下宿でもマコモ風呂が継続できるように専用の機械を購入し下宿のお風呂にセッティングしました。少し改善が見られ4月から大学に戻りましたが、マコモ風呂を続けていたにも関わらず同じ季節にまた悪化してしまいました。
私は前回のような入院治療では同じことを繰り返えしてしまうと考え、もう入院させないで私の食事療法でなんとか治そう!と決意し自宅に連れ帰りました。
東京に戻ってからは酵素玄米と自家製の発酵調味料を使った料理をメインに食養生しましたが、腸がボロボロに傷んでいると、いくら良いものを食べても、どうしても余計なものまで一緒に吸収してしまいます。より素早く腸を回復させ皮膚の修復を促す必要があったので、三番町ごきげんクリニックの澤登先生のところで、サプリメントの処方もしていただきました。
おかげさまで新学期が始まる4月には再び大学に戻り勉強を再開させることができる状態までに回復させることができました。
食養生の大切さを学ぶことができた良い機会だった
現在も息子は下宿生活ですがマコモのお風呂も必要なくなり本人が自炊により自分で体調管理ができるまでになりました。アトピーを発症しやすい季節も今年で2年目ですが、何とか自力で頑張ってくれています。大学にもしっかり通えているようで成績もアトピーで悩みながら通っていた頃とは雲泥の差となりました。お味噌は無くなると『送って~』と言って来てくれるので、喜んでせっせと送っています。
本当にここまで回復させることは大変でしたが、今は息子と一緒に苦しみ悩んだこの時間が私にとっても息子にとっても決して無駄ではなかったと思えます。
まだまだ、息子にとって戦いは続いていますが、アトピーになったからこそ食で健康を整えることの大切さを体験できた良い機会であったと思っています。もしも、アトピーにならないで過ごし、あのままの食生活を続けていたら、息子は将来、癌を発症していたかもしれません。
近い将来、カフェで『コーヒーにしますか?紅茶にしますか?味噌汁にしますか?』が当たり前になって欲しい。
今、日本の中で毎朝お味噌汁を飲んで出かける人は何パーセントいらっしゃるでしょうか?戦前と比べれば明らかに激減していることは間違いないでしょう。腸を癒し、心も癒してくれる麹菌をスターターとする発酵調味料の摂取は、放射能の問題を抱える現代の日本人には欠かすことはできません。
まずは朝一杯のカップ味噌汁をお勧めします。マグカップに大匙1杯(1円玉をボールにした量)の味噌と粉末にした鰹節(鰹節も麹菌が関わった発酵食品です)そこにお湯を注いで、混ぜるだけ。あれば青さなどを入れるとさらにミネラル豊富になります。
まるでインスタントコーヒーを飲むがごとくマグカップでお味噌汁!インスタントコーヒーの代わりにお味噌&砂糖の代わりに鰹節粉~という感じです。
近い将来カフェで、『コーヒーにしますか?紅茶にしますか?味噌汁にしますか?』と、(笑)それが当たり前のように言われるほど味噌汁が復活したころ、日本人はまた戦前の強靭な心と身体を取り戻せるのではないかと本気で考えています。
花巻さんのように、主婦業をきちんとこなしつつ自宅でお教室を開催してみたい方に向けてメッセージがあればお願いします。
私自身は大学を卒業後、一般企業に就職し何のキャリアもなく結婚し23年間を過ごしてしまいました。そんな中で人の前に立って何かを伝えるということは得意分野でもなく、まさか自分が発酵教室を開催するようになるとは考えてもいませんでした。けれど50歳手前から再び勉強をし、発酵プロフェッショナルという資格を得て、さらにアンチエイジングフードリーダーマイスターという資格を得ることによって、家庭内で何の取柄もないと委縮していた自分に対して、自信を取り戻せたような気がしています。私にとって資格は単なる肩書ではなく自分の努力に裏付けされた自信です。もしも主婦の方が教室開催をお考えでしたら楽に取れる資格ではなくある程度、自分に負荷が掛かる資格を取り自信をつけることをお勧めいたします。食に関する教室開催を目指していらっしゃるならばアンチエイジングフードリーダーマイスターを習得することは、食を語るうえで人前に立つ自信に繋がると感じています。
花巻ゆみ
社)日本アンチエイジングフード協会 リーダーマイスター
社)日本発酵文化協会 発酵プロフェッショナル
食と予防医療の基本の座学と発酵ランチの1日講座
「ディプロマ付」ジュニアマイスターレッスンはこちらから
https://anti-agingfood.com/juniorlesson/lesson_hanamaki.html
花巻ゆみの発酵教室
http://my-syouyu.com/