2017.1.9 月曜日

長寿に有効なのはカロリー制限かファスティングか?


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長寿と健康に効く食べ方、様々な方法があるもののいったいどの方法が効率的なのでしょうか。
今回はカロリー制限とファスティングから長寿効果を検証してみます。

酵母から哺乳類まで多様な種において、食餌制限は抗老化作用を持ち、寿命を延長するという事がよく知られています。しかし西田栄介先生(京都大学大学院生命科学研究科)は線虫による2通りの食餌制限(カロリー制限と断続的飢餓(断続的絶食))を実験し、、カロリーの総摂取量を低減させなくても、飢餓を繰り返し導入す ることで、食餌制限の有用な効果を得られる可能性を日本抗加齢医学学会で報告しました。

線虫の実験ではカロリー制限チームと2日おきに自由摂食させたグループ(カロリー制限なし)のグループでは、カロリー制限チームはおよそ20パーセントの寿命延長に対し、ファスティンググループでは50パーセントの寿命延長が見られたということです。
ファスティンググループでは寿命を延長するのに必要な遺伝子群(Rheb, TOR, DAF-16, HSF-1)が明らかになり、またこれらの遺伝子はいずれも進化的に高く保存されており、全て相同な遺伝子がヒトにも存在しているとのことでした。
これらは老化関連疾患の発症の抑制などにも役立つ事が期待されるということですから、たとえば認知症の予防にも定期的なファスティングが有効であるという報告が近い将来なされる可能性もあるかもしれません。

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現代では常に食べものが豊富にありすぎる飽食時代です。一方狩猟採集が主で食べ物を追って移動していた古代人は常に自然なファスティングをしていたことになります。
寿命は現代人のほうが長いですが、栄養のバランスや事故、感染症のリスクなどを排除すると、食の食べ方そのものは、古代人のナチュラルファスティングのほうが健康的だった?という推測もできます。