2017.7.8 土曜日

ハーブ・薬味から微量栄養素を多様に摂る~ガン予防にもつながるフィトケミカル~


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フィトケミカルやビタミンなどの微量栄養素は、現代の多くの日本人に不足しており、不定愁訴など「なんとなく調子悪い」の原因にもなっています。アンチエイジングに効く微量栄養素は緑黄色野菜や果物などに多く含まれますが、実は香草類にも多く含まれているものがあり、うまく使うことで健康にも良い効果が期待できるのです。その中でも、米国の国立がん研究所(NCI)がまとめた「デザイナーフーズ」に登場するハーブや薬味について紹介します。

がん予防に効果的な40種類の野菜をピックアップ

アメリカ国立科学アカデミー(独立系の科学者団体)は、1982年に「食と栄養とがん」という報告書をまとめました。報告書では、脂肪の高摂取ががんを増加させることや、野菜、果物、全粒穀物を重視した食生活ががんの罹患率を低下させることを示唆しています。
こうした研究の成果として、1990年、米国の国立がん研究所(NCI)は植物性食品によるがん予防をうたい、「デザイナーフーズ」計画を発表。野菜、果物、穀類、海藻類などの植物性食品にはどんな成分が含まれ、どのくらいのがん予防効果が期待できるのか、というのを調査したものです。
この研究に基づき、植物性食品に含まれる数万種類の化学物質のうち、約600種の化学物質にがん予防効果の可能性があると言われています。
その化学物質とは、カテキンなどのポリフェノール群や野菜、果物、海藻類に含まれるカロテノイド群、ハーブなどに含まれるテルペンなどの揮発性成分などです。そうした予防に効果のある食品および食品成分のうち、特に効果が高いと判断された約40種類をピックアップしたのが「デザイナーフーズ・ピラミッド」です。ピラミッドは3つのランクに分けられ、上段に行くほどがんの抑制効果が高いとされています。ここでは表で表しました。

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デザイナーズフードの表を見てみると、スパイスやハーブがけっこう上位にいますね。こうした香草類は一般の野菜に比べ、薬理作用がよりはっきりしています。たとえば、古代ギリシアではヒポクラテスが数多くの薬草から処方を編み出し、そのなかにはハーブティと思われる記録もあるなど、民間療法としてはもちろん、医学的にもその効果が認められ、古くから様々な形で人の健康を守ってきました。

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ローズマリーやタイムは、解毒作用のほか、細胞の維持・活性を助けます。ピザなどに使うオレガノには胃腸の調子を整えて消化を促す効果があります。エキナセアには免疫賦活作用や、抗ウイルス作用があるといわれており、エルダーフラワーは発汗・利尿作用に優れていることから、インフルエンザの特効薬と呼ばれることもあるそうです。日本でも山椒や三つ葉、セリ、みょうがなど多品種の香草があり、しょうがや紫蘇など民間療法で使われるものもたくさんあります。

また日常よく使われるカイワレ大根、ブロッコリースプラウトなどの新芽野菜は、発芽や成長のために必要な栄養素である、たんぱく質、脂質、ミネラル、各種ビタミンなどが豊富です。がん予防効果があるとされるスルフォラファンも多く含まれており、ブロッコリースプラウトのスルフォラファン含有量は成長したブロッコリーの約10倍にもなります

そして、ネギ、ニラ、ニンニクなどの薬味野菜は、抗がん・抗炎症・抗酸化の働きのある成分を多く含んでいます。注目すべきは、細胞壁にあるアリイナーゼという酵素です。刻まれるなどして空気に触れると、周囲にある非たんぱく性の含硫アミノ酸に作用し、有機硫黄化合物に変化します。ピラミッドの頂上に「にんにく」がいますが、まさにこのアリイナーゼのおかげ。刻んだり、かみ砕いたりすることで有効成分が引き出されますが、揮発性なので、効果を得るためには刻んだらすぐに食べるのがおすすめ。

他にもアリインやアリシンなど、健康効果の高い物質が豊富。ガン細胞の増殖を抑え、寿命のある正常な細胞に戻してガン細胞を消滅させる働きがある「ジアリルトリスルフィド」や血小板の固まりを抑える作用があり血栓予防に役立つ「メチルアリルトリスルフィド」などは、熱に強く油に溶け出すので、炒め物や油煮などにするとよいでしょう。つまり、にんにくは生でも火を通しても、それぞれの健康効果を得ることができる万能薬味といえます。

また、唐辛子には、利尿・発汗効果、新陳代謝の促進作用があるカプサイシンが含まれ、しょうがには発汗・利尿・排便作用のほか、脂肪細胞を太らせない働きをもつジンゲロールが含まれています。また、みょうがに含まれるα-ピネンには、血液の循環を調整する作用や発汗作用があり、日本のハーブといわれるシソには、抗菌・殺菌作用、がん抑制作用、動脈硬化予防、アレルギー抑制などの効果があります。

季節的に夏はスーパーでも露地もののハーブや薬味がたくさん出てきます。ぜひ日常の調理に活かしながら、毎日の食卓に加えてみませんか?
いずれも少量でも効果は十分。栄養効果はもちろん、料理のバリエーションも広がります。

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